「小さいことはいいことだ」の時代に | スモールビジネスの不動産屋

大企業は一日にしてならず~ひとりで営む広告代理店

「大企業だから安心で信用ができる」という時代はとっくに終わっています。ところが、私たちの社会はその価値観をアップデートできずにいるように思えます。

大企業はいつから大企業で、なぜ大企業なのでしょうか。企業合併してできた会社などを除いて、創業したときから大企業だったという会社はないでしょう。

大企業は一日にしてならず。成長に従って、ノウハウや失敗を回避する方法などを蓄積して、仕組み化すること。それが利益を生み出し、その利益で安心・信用をさらに強固にしていく。誰もが今日よりも豊かになることをめざした時代にこそ、大企業はその存在価値がありました。

もちろん、その陰には公害問題があったことは広く知られていますし、労働者の人権が踏みにじられてきた側面があることも公然の秘密です。

組織も人も肥満化すると病気になる~ひとりで営む広告代理店

『失敗の研究 巨大組織が崩れるとき』(金田信一郎・日本経済新聞社)には、巨大組織が陥る「6つの病」として肥満化・迷宮化・官僚化・ムラ化・独善化・恐竜化が挙げられています。

人間も肥満体になると、あちこちに不調が現れるものですが、大企業も同じだといえます。また、若いうちは栄養をしっかり摂取しても良い、むしろすべきであっても、代謝が落ちる年齢になっても同じように食べていたら病気になります。

大企業にも同じようなことが起きて、もうめざすべきは「今までのような成長」ではないのに上が追い立てるようなことをすれば、耐えきれずに大きく転ぶか、保身のための不正に走るしかなくなるでしょう。

本書の中にも「安心」や「信用」の見方は、大きく変わろうとしているとして、地元の小さな業者のほうが、顧客の顔が見えるので手抜きができないと考えたほうがいいのかもしれないと書かれています。

価値観のアップデートを先送りするな~ひとりで営む広告代理店

私には多くの大企業が、価値観のアップデートをできるだけ先送りしようとしているように思えてなりません。大企業が減っていかざるを得ないのは自明だが、自分の会社だけは今までどおりでといった感じで、不毛な競争を繰り広げているともいえるでしょう。

高度経済成長期に、「大きいことはいいことだ」というCMのキャッチコピーが流行語になりました。率直に時代の空気を象徴しているコピーですが、これからは「小さいことはいいことだ」の時代。望む望まないにかかわらず、少子高齢化の人口減少社会は避けられないのです。

何を以って大企業と呼ぶのかというと、これはいろいろだと思います。

しかしながら、国が定める中小企業の定義というのが業種によって異なりますが、「製造業その他」で「資本金の額又は出資の総額が3億円以下の会社又は常時使用する従業員の数が300人以下の会社及び個人」とされているので、ひとり社長の私に言わせれば、日本にはかなりの数の大企業があるといえます。

そうなると、多くの中小企業も巨大組織が陥る「6つの病」ということになります。日本の会社はほとんどが中小企業ですから、心当たりがある人はとても多いでしょう。

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